Q1 バッグ、靴などの一般の日用品の革製品で注意する点は?

ここでは、ビザールクイーンのフィギュア製品ではなく、もっと一般的なバッグ、靴、衣類といった日常生活の革製品について説明します。
まず、日常生活で使用するバッグや靴、衣類などの革製品で一番注意しなければならないのは、カビです。高温、多湿、汚れ…この3つがカビの生える条件になります。したがって、使った後は、あらかじめ陰干しして水分を減らし、カビの発生しにくい状態にして、乾燥した日陰に保管するようにしましょう。また、なるべく通気性のよい紙袋や布袋などにいれて、しまっておくと良いです。ハンガーで保管する場合は、型くずれしないよう気をつけましょう。ビニールカバーは革の呼吸を妨げ、カビ発生の原因となりますので使用しないでください。除湿剤は、シリカゲル系除湿剤を用いるようにしましょう。
革が乾燥してカサカサになっているようならワックスで手入れします。LinkIconレザーワックスについて詳しくはこちら Q11へ

カビの生えやすい条件
①通気の悪い密閉空間(押入れ、引き出し、箱)
②革が湿っている、または湿度が高い環境
③汚れの付着などカビの栄養源になるものがある。

逆にカビを防ぐには
①風通しの良い開放された空間
②適切な湿度、除湿機や乾燥剤で湿気を除去。
③清潔に保つ、こまめに乾拭きする

Q2 ビザールクイーンの製品の日常の手入れはどうすれば良い?

特に必要はありません。別に何もしなくてもかまいません。気が向いたときにカラ拭きすれば十分です。これは、汚れの除去のほかにも、適度な刺激を革に与えてつやなどの味わいを促進する効果もあるので、ぜひお気に入りのドールに着せたまま、愛着をこめて可愛がってあげると良いでしょう。乾燥が気になったときは、ラムレザーにはコロニル社のクリームかラナパー社のワックスがお勧めです。ごく薄く塗るだけで十分です。つけすぎてはいけません。なお、ヨーロッパレザーはデリケートなので、特に赤、白色レザーはワックスをかけないようにしてください。LinkIconレザーワックスについて詳しくはこちら Q11へ

Q3 万一、濡れてしまったら?

日常生活品のレザー製品では、万一、濡らしてしまったら、
①濡れた部分の水分を柔らかい乾いた布で軽く撫でるようにふき取る
②できるだけ元通りに形を整えて、型崩れを防ぐ。
③直射日光に当てないで、日陰干しで時間をかけて自然にゆっくりと湿気を抜く。
④必要に応じてワックスなどを塗り、乾拭きして風通しの良いところに保管する。
濡れた革は熱に弱いのでストーブなどは避けて下さい。
通常、フィギュアに着せるホビー商品なので濡れることはまず、無いと思いますが、万一、ぬらした場合は上記のとおりにすればOKです。

Q4 傷がついた時はどうすれば良い?

ほとんどの革は表面にコーティングをしていないので容易に傷がつきます。
残念ながら、一度ついた傷は完全に消すことはできません。しかし、よほど、深い大きな傷は別として、ライダースなど、ハードコアの味を出すには、一般には多少傷が入ったほうが自然な革の味、リアリティがでますから、あまり神経質にならず、有る程度、傷を楽しむくらいに、気軽に本革とつきあってはどうでしょうか。いつまでもおろし立ての様でサマにならない、フェイクレザーよりもかえって味がでて愛着が湧くと思います。

Q5 汚れたら?

汚れの中でも、表面上の汚れなら、早いうちに柔らかい布でカラ拭きすればたいてい目立たなくなります。カラ拭きで落ちない汚れは、ぬるま湯に浸した布で汚れた部分を軽くなでるように拭いてください。たいていは、これで取れるでしょう。ただし、革を湿らせた後は、できるだけ早くカラ拭きし、日陰干しでゆっくりと自然乾燥させてください。なお、革の繊維の中まで染み込んだ汚れはまず落とせません。中まで染み込んだ汚れを無理に落とそうとすると周囲の革が脱色したり、荒れてしまったりなどの悪影響が出てしまうので、ご注意ください。

Q6 カビが生えたら?

特に、日用品では残念ながら、革にカビが生えてしまったときは、繊維内部にまで菌糸が入り込んでいることがほとんどなので完全に除去することは困難です。カビ自体を除去しても、どうしても変色は残ってしまいます。あきらめましょう。
基本的には、やはり予防が最も有効なので、とにかく、湿気に注意が必要です。押入れや机の引き出しなどの密閉された空間に長時間しまいっ放しにしたりするのは危険です。特に、濡れた革をきちんと乾かさずに使うのも、カビの危険度を飛躍的に高めますからご注意ください。

Q7 乾燥剤は必要ですか?

風通しの良いところに置いていれば、特に必要はありません。もし、使われる場合は、シリカゲル系除湿剤を用いるようにしましょう。直接触れるように使用すると革が乾燥しすぎて、変質したりすることがあるので、注意してください。

Q8 色落ちしますか ?

色落ちの直接の要因は革の中の染料や顔料が他の繊維素材や革に移行する場合で、繊維などでみられる一般的な色落ちです。これは染料や顔料の、革との結合が弱いため他繊維を汚染してしまう場合です。
染色に関しては年々改善されていますが、革の色落ちを防止するには、革製品を水や雨に濡らさないことがまず重要です。
  ビザール製品の場合、通常使用では色落ちすることはないですが、Q11でのワックスによる手入れのときには、色落ちします。海外から輸入した原皮を日本でなめして染めた場合は、堅牢です。しかし、特にイタリアなど海外でなめし、染めた製品革では、ものすごくデリケート(よく言えば…)なので、かなり初回は、落ちます。定番の黒もやや落ちやすいほうです。他の色、ビザールクイーン製品でいえば、ラベンダーの特色など。これは、ドルチェ&ガッバーナで使われた色に合わせて染めたと、輸入業者から紹介されたもの。実際に見て、とても気に入ったので、採用したのですが、写真の通り色落ちはすごいです。ですから、この色の商品をご愛顧いただいている場合、手入れに注意してください。なお、赤、白色のレザーは、ワックスは使用しないほうが無難です。できるだけ、からぶきだけで手入れされることをお勧めします。

Q9 革が呼吸するとは、どういうこと?

革を構成するコラーゲン繊維は親水性であり、繊維同士が立体的に交絡した構造(組織)を持っています。このため、微細な間隔が多く、この多孔性が靴のはき心地や衣料としての快適性など、革の特徴を発揮します。さらに、この立体構造のおかげで革は湿度(相対湿度)の変化に応じ、容易に水分を吸収し、また放出します。このように、革が水分を吸収し、放出する作用を"革は呼吸する"と表現したわけです。これは、革の最も大きな特色ともいえるのです。人工皮革の靴と比較して、革靴のむれが少ないのもこのためだといえば、より判りやすいでしょう。

Q10 カビを防ぐには?

革製品で一番注意しなければならないのは、カビです。高温、多湿、汚れ…この3つがカビの生える条件になります。したがって、使った後は、陰干しして水分を減らし、カビの発生しにくい状態にします。また、なるべく通気性のよい紙袋や布袋などにいれて、しまっておくと良いです。ハンガーで保管する場合は、肩幅にあった厚みのあるハンガーを用い、型くずれしないよう気をつけましょう。ビニールカバーは革の呼吸を妨げ、カビ発生の原因となりますので使用しないでください。革用の除湿剤はシリカゲル系除湿剤を用いるようにしましょう。特にブーツのように冬期に履いて、梅雨期、夏期を通して長期に保管する場合は、カビが発生しやすい高温多湿期には、時々風にあてて、簡単に手入れすることで、カビの発生を防ぐことができます。

Q11 良いワックス、クリーナーは何ですか?  

  まず、1/6フィギュアの場合、日用生活品ではないので、特に汚れることはありません。したがって、極端な話、湿度や直射日光にさえ注意すれば、いっさい手入れする必要はありません。ただ、もっと、艶をだしたいとか、もっとしなやかに柔らかさをだしたい、もっとリアルな感じに見えるようにシワをだしたい、もっと経年変化を感じさせる味をだしたい…、こういうふうに感じた方は、ぜひ下記でご紹介するワックスを使って自分好みの皮革になるように手入れをしてやってください。
  ヨーロピアンラムは、イタリアであれスペイン、ギリシャであれ、そのままでも十分魅力的ですが、さらなる魅力を引き出すために手入れする楽しみ、またそのレザーウェアをお気に入りのフィギュアに着せる楽しみ、ポーズをつける楽しみ…それがフィギュアホビーの醍醐味でしょう。
  レザーの場合、ひとつで万能なものはありません。必ず、革の種類に応じて使い分けます。基本的には4種類必要です。エナメル革用、スエード革用、ラム革用、それ以外の一般用です。使う前には必ず、目立たない部分で試して、色落ちしないか確認してから使いましょう。お勧めは、次の2点です。ごく薄くぬるだけで十分です。決して塗りすぎないこと。ここがコツなので注意してください。
wax_police1.jpgこんな白バイなら、スピード違反で捕まってもいい!?wax_police2.jpgカーフのニーハイブーツのナイフのような凄みある光沢感 ご存知のように、本革の魅力は、磨けば磨くほど、深みのある光沢が得られることでしょう。たとえば、ブーツやハイヒールは、実物同様、カーフレザーの本場ドイツやイタリアのカーフ素材を使っていますから、ミニチュアであっても本物の光沢感がでます。まあ、素材が同じなんですから、当たり前といえば当たり前ですが…。たとえばこのEVIL POLICEのアッスレスパンツ(assless pants)のイタリアラムのギラつく光沢感とニーハイブーツ(knee high boots)のナイフのような凄みのある光沢感をご覧になってどうですか?光の質感がぜんぜん違うでしょう?映画などで出てくるハードコアな感じそのままでしょう!
  同じ皮革レザーなのに、質感の違いを組み合わせることで、印象が変わり、同じフィギュアでもまったく別のキャラを楽しむことができます。レザーの世界というのは、ホントに奥が深く、面白いですね。組み合わせにルールなんかありませんから、自分の心象イメージにあうように着せ替えて、楽しんでください。


wax_dia.jpgコロニル・ディアマント。クリームタイプです。wax_lana.jpgラナパー。固形ワックスタイプ。 さて、おすすめのワックスですが、ひとつは、クリープタイプのコロニル・ディアマント、もうひとつは、ワックスタイプのラナパー・レザートリートメント。ラムレザーには、この2つがお勧めです。両方とも、奇しくもドイツ製。やはり、ドイツは皮革の本場ですね。どちらが良いか?はっきり言って、好みです。性能はほぼ互角ですが、あえて言うなら、コロニルの方が上でしょう。
  コロニルは、写真のとおり、クリームタイプ。特筆すべき長所は、即効性です。とにかくその浸透性の良さはダントツです。塗ったその場で浸透しだし、翌日には信じられないくらい皮革がフニャフニャ!みたいに柔らかく、しなやかになります。ただ、欠点がひとつあります。それは、匂いです。どんな匂いかというと、よくある靴クリームに似た、鼻にツンと来る匂いです。でも、翌日になると蒸散して、ほとんど匂いが消えました。1週間ほどで、完全に消失して、ラム革本来の香りにもどりました。あえて、テストのため多めに塗布したものでも、ほんのり微かに匂うかどうかの感じです。それでも2週間もすると、キツイ匂いがウソのように、完全に消えます。
  ですから、匂いに敏感でなければ、コロニルで決まりです。このコロニルをごく薄めに塗布すれば、個人の好みですが、一般的には月に1回くらいで十分でしょう。ほんとに、すごくしなやかな柔らかさと上品な艶が醸し出されるので、素晴らしいです。活きた本革だからこそ、手入れの仕方で、味がでてくるので、楽しくなってきます。手入れ次第で、かなり自分好みに味を変えることができます。ぜひ、この楽しみを実感して欲しいです。
  一方、ラナパーは車のワックスに近く、固形タイプ。コロニルは即効性で浸透力がすごいですが、こちらは、まったく即効性や浸透性はありません。継続して使うことでじわじわと効いていき、乾燥を防ぐという方向性のようです。どちらかといえば、その革本来の柔らかさ、個性を失わないように維持するような感じ。ただ、こちらの良い点は、まったく匂いが残りません。また、固形タイプなので、布にとりやすく塗りやすいです。個人的には、ラナパーのほうが、布にとりやすいし、塗りやすいかな…。コロニルの場合は、綿棒でとり布で広げると良いでしょう。でも、どちらでも、問題ありません。好み次第ですが、一般的にかさかさに乾いた感じがしたら、塗ればよいでしょう。室内でのホビー商品ですから、特に定期的に手入れする必要はありません。気が向けばするくらいで、良いでしょう。
  ただ、ご注意いただきたいのは、コロニルはカラーレスにしてください。黒などの色つきは、やめたほうが無難です。基本的に、日常生活で汚れるレザー製品には、色褪せ、汚れ隠しに黒を使います。しかし、ビザール製品は、ホビー製品なのでまず土やひどいほこりなどで汚れることはないですから、黒は不要でしょう。また、スペインクラシコなど微妙な色付けの素材の場合、味が飛んでしまう危険があるので、カラーレスをお勧めします。

  なお、ラナパーは写真のようなナチュラルしかありませんから、問題ないでしょう。両方とも、容易に入手できます。安く買うには、ネットで上記の商品名をググれば、出てきますから、信頼できそうなショップの中で、一番安いところを探しましょう。両者とも、2000円から3000円前後です。
  最後に、注意点として、Q8色落ちしますか?のFAQでもご案内しましたが、ビザール製品のなかでイタリアンラムのラベンダーや黒をご愛顧いただいているお客様は、初回色落ちが激しいので、ワックスで手入れするときは、できるだけ強くこすらないようにしてください。撫でるようにワックスを塗ってください。ワックス乾燥後の日常のカラ拭きは、問題ありません。また、赤や白はワックスは使用しないほうが無難です。色落ちの危険性が高いので、からぶきだけで手入れされることをお勧めします。
wax_all.jpgこうして両者並べると、かなり大きさが違いますね。wax_dia_open.jpgご覧のとおり、かなりのクリーム状。wax_lana_open.jpgラナパーは、車のワックスと同じですね。

Q12 エナメル革の注意点は?

エナメルは革の表面に樹脂加工をしたものですから、水には強く、特に防水のお手入れをする必要はありません。
逆にそういったスプレー類を使用することによって、表面の独自のツヤがなくなり曇った感じになってしまうこともあるのでご注意を。ただ、エナメルの弱点は冬の寒さに弱いことです。逆に、暑いときには表面がベタベタして、保管袋や隣のバッグにくっついてトラブルになることも・・・。ただ、以上の内容は、現実世界の場合で、1/6フィギュアの世界では、直射日光や風雨にさらされるわけではないので、問題はありません。ただ、エナメルはそのしっとりした光沢が命。定期的に、エナメル専用のワックスで手入れされる程度で良いでしょう。