レザー皮革の知識解説ページ

いったい、「革」とはどんな素材でしょう?
「皮」と「革」。実は、これらの言葉は、まったく別の意味をもっています。「皮」(skin、hide)は、生き物の皮膚のことで、「革」(leather)は、こうした生き物の皮を腐らないようになめした素材のこと。したがって、靴や鞄、ウェアなどに使われる素材の場合、「革」と表記するのが正しいのです。
高級ソファからウェア、靴、バッグ、財布小物まで広く使われる素材「革」。
せっかくの革製品を楽しむのなら素材としての「革」について、ここで知っておきましょう。

●革のいろいろ、まずは牛革から

革の代表的な種類を、1/6フィギュアに最適なレザーを探す過程で集めたものを中心に説明していきます。牛革、本皮革といえば大部分がこの革です。一頭からとれる革の大きさや入手が容易なことから非常に、ポピュラーな素材ですが、さらに下記のように細かく分類することができます。
①カーフ
②キップ
③ハイド。

いろいろな牛革

カーフとキップの違い

●カーフとキップ

①カーフ…生後6ヶ月以内の仔牛から作られる革。成牛に比べ銀面が平滑できめが細かく美しい高級革。フランスのデュプイ社の”ボックスカーフ”という製品革が有名。独特の艶感がありエルメスなどが採用。
②キップ…生後1年以内の中牛の革。カーフに比べると滑らかさは劣るがきめは細かい。写真をよく見れば、カーフは鏡のように平滑ですが、キップは、若干、銀面にザラツキがあるのがわかるでしょう。写真のカーフはイタリアのロイヤルカーフです。。

●もっとも一般的な牛革がこれ!

普段、もっとも見慣れた革がこれです。シボの感じといい、見覚えがある方も多いでしょう。
ハイド…生後2年以上の成牛の革。皮革素材ではもっとも流通量が多く、単に牛革といえばこれにあたります。ちなみに、メスをカウハイド、オスをステアハイドといい性別で若干の質感の違いがあります。

成牛のステアハイド革

ベビーカーフ革

●イタリアINCAS社のベビーカーフ

ビザールクイーンとしては、6インチのヒール高のブーツやハイヒールは絶対にハズせないのでリアル世界同様、カーフとキップを使っています。ただ、仏デュプイ社のボックスカーフは1/6フィギュアのブーツやハイヒールには、ちょっと艶感がギラつきすぎて不自然な気がしました。
そこで、他を探しますと、イタリアのINCAS社から直輸入したベビーカーフの質感の方がしっとりとして、落ち着いた銀面の艶感でしたので、私はこちらの方がよりリアルに見えてふさわしい感じがしたので採用しました。
ただ、靴底には不自然なのでよりリアルに見える同じくイタリアから輸入されたキップを靴底のアウトソールに使用しています。

●羊皮について

羊革ですが、これはきめの細かさと軽さ、柔らかさが特長です。身体へのフィット感が他の革よりも優れており軽くて丈夫。このため、手袋、コート、レザーパンツなどに使われることが多いです。
羊革には、シープとラムがあります。一般的な成羊をシープといい、さらに縮れた巻き毛の羊をウールシープ、直毛の羊をヘアーシープとよびます。
写真は、一般的なシープ革。脂肪の穴が多く革の密度も低いため、強度には欠けますが、先ほどのハイドよりもシボが細かいのがわかるでしょう。これが、子羊のラムになるともっときめが細かくなります。。

いろいろな牛革

カーフとキップの違い

●ラムレザーについて

ラムとは、仔羊の革のことで、仔牛のカーフに相当します。ラムの場合、質感がカーフとは全く異なり、手触りが肌に吸い付くような感触で、しなやかな質感が生み出す美しいドレープ、そして、艶やかな光沢感が魅力です。一般に高級ブランドの婦人手袋に多く使われます。ビザールクイーンの製品の主力素材革としてヨーロッパ各国の高級ラムレザーを採用しています。シープとの滑らかさの違いを比べてみてください。

●山羊革について

山羊革は、羊革と牛革の中間の柔らかさをもちます。別名、ゴートスキンともいい、銀面には、写真で
ごらんのように特有の凸凹のあるシボがあります。明らかに、羊とは異なる強いシボと硬そうな質感がおわかりになるでしょう。
ただ、1/6サイズのフィギュアドレスには残念ながら硬いため、ボディ形状に追従しません。したがって、不自然な印象と質感になるためいまのところ、採用していません。

山羊革