フィギュアカスタムの解説



     

タイガーブラザー社のTBLeagueの新しいボディを検証する

tigerbrother社の新素体のTBLeague




TigerBrother社の新素体TBLeagueのパッケージTigerBrother社の新素体TBLeagueのパッケージ左…美白、右…普通肌TBLeagueのパッケージの裏表。丁寧な解説表記がされています。TBLeagueのパッケージの裏表。丁寧な解説表記がされています。
TBLeagueの中身を出して色の比較。(左…美白、右…普通肌)TBLeagueの中身を出して色の比較。(左…美白、右…普通肌)


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クールガールとボークス

TIGER BROTHER社のTBLeagueの新素体に着目!

     こんにちは。毎日、寒くて冬の到来を感じさせますが皆さんはいかがお過ごしでしょうか?さて、今回は最近、ヤフーオークションなどでよく見かけるようになったTBLeagueの新ボディについて検証結果を報告したいと思います。

     先週は、一週間ほど上海に出張しておりました。弊社は、会社案内でも記載しましたように本業はサニタリーインテリア商品のメーカーです。このため、上海に事務所があり現地工場との業務を行なっております。LinkIcon(会社案内を見る)今回は、それ以外に、出張前に見つけたTigerBrother(タイガーブラザー)社の新素体TBLeagueについて、担当者にメールを送りまして上海に着いたらサンプルを送ってもらう目的がありました。上海では、さっそくスタッフにタイガーブラザー社の担当に連絡をとってもらい、帰国するまでに届けるように手配しました。

     なぜ、このようなことをしたかというと、現在、このTBLeagueの商品は、日本ではヤフーオークションでもよく見かけるようになりました。ただ、ほとんどが香港からの海外発送で代理出品の形です。以前、このような出品形式で取引をしたとき、トラブルがあり不愉快な思いをしたので、二度とこのような取引はしたくなかったからです。実際、価格は安いので入札したくなるのですが、運賃がEMSとなり1000円~なので結構割高です。また、日本語を理解している?相手ですが、結局は、日本人ではありませんから、ものの考え方や、取引(ビジネス)に対する考え、サービス意識なども含めて、非常に違います。したがって、外国人との取引であることを十分納得した上で入札する必要がありますから、皆様もご注意されたほうがよろしいかと思います。

     さて、以前、このメーカーでは、有償交換サービスをしているとレポートいたしましたが、第二世代の関節改良版に移行してからは、現在のところこのサービスは終わったそうです。したがって、旧世代ではなく、現行商品の場合は破損させたら、残念ですがアウトです。したがって、よく説明書を読んで慎重に関節を操作してください。という、私も手首をしっかり骨折させてしまい、1個パアにしました。トホホ、、、、


     いよいよ、現物サンプルが届き(サンプルといっても、日本以外では実費です!タダではくれませんよ!)、TBLeagueのボディとご対面です。商品は2種類あり、メーカーではピンクホワイト(TB2010-02)と超ピンクホワイト(TB2010-01)と言ってるようですが、見たところ、普通肌色(02)と美白色(01)とでも言えましょうか。クールガールと比べてどうなのかは、次項で詳解していますのでご覧ください。パッケージは、意外とセンス良くデザインされており、すっきりしています。裏面には、関節のポージング取り扱い方法が丁寧に説明されています。

     箱を開けると、ブリスターパックにボディが入れられており、説明書や付属パーツはいっさいありません。いたって、シンプルです。もともと、このTBLeagueの商品は、ボディのみであり、ハンド、足、頭のパーツは初めから一切付属していません。今の、クールガールの世界を考えると実に適切で、合理的な判断だと思います。手のパーツは、クールガールの豊富な部品を使えますし、ヘッドはカスタムヘッドが人気です。足のパーツもサードパーティから販売されていますし、ビザールクイーンの6インチハイヒール用の足パーツももちろん、使えますよ!というか、これさえあれば他の足は要りませんよ!^o^



TBLeagueとクールガールとの比較。左が美白、右が普通肌の比較。TBLeagueとクールガールとの比較。左が美白、右が普通肌の比較。TBLeagueとクールガールの背面の形状比較。TBLeagueとクールガールの背面のボディ形状の比較。
TBLeagueの致命的な問題点①注入口のバリ処理の傷跡。TBLeagueの致命的な問題点①注入口のバリ処理の傷跡。TBLeagueの致命的な問題点②足首ジョイントの刻印。TBLeagueの致命的な問題点②足首ジョイントの刻印。
TBLeagueの致命的な問題点③滑りの悪さと汚れが付着しやすいこと。TBLeagueの致命的な問題点③滑りの悪さと汚れが付着しやすいこと。


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クールガールとボークス

いよいよTBLeagueのボディを検証してみよう!

     それでは、さっそく取り出して、クールガールと比較してみます。まず、気になる色の比較ですが、ごらんのように、どちらかといえば普通肌色(TYPE-02)のほうが、近いと思います。美白色(TYPE-01)も悪くないです。どちらを選ぶかは悩むところです。カスタムヘッドの色や手、足の色もトータルで考えると、通常、クールガールの普通肌色に合わせて作られているので(ビザールクイーンの6インチ足パーツもそうですが)、普通肌を選ぶのが無難かもしれません。いずれにせよ、クールガールのキャットウーマンの美白モデルだけが異常な色で突出していますが、他の3点は問題ない色味だとおもいます。

     次に、背面から形状を比較すると、実にうまくTBLeagueのボディ形状が造型されているのがわかります。いいかえれば、ホントにクールガールの関節にそのままラバーの皮膚をかぶせた感じです。実際、驚くほど各部の寸法が合うので、次項の各ショットをご覧になればお分かりになると思いますが、そのままクールガール用のビザールクイーンのカスタムレザーウェアが着せることができます!以前、HOTTOYSのニュージェネボディや、LinkIcon(ニュージェネ検証記事を見る)ブラックウィドウのボディを検証しましたが、LinkIcon(ブラックウィドウを見る)ウエスト形状に致命的な問題があり、とても着せることができませんでした。ですから、このタイガーブラザー社のTBLeagueのボディはほぼ、クールガールコンパチと言っていいのではないかと思います。

     以前、ニュージェネボディの検証ページで、HOTTOYS社の求めるリアルとは何かということについてお話しました。彼らは、現実の女性のボディを追及します。従って、理想の体型美ではありません。そこが、私の求める女性のボディとの大きな違いでした。このため、私はHOTTOYSのボディ用のカスタムウェアを作る気持ちはまったく起こりませんでした。唯一、私が求めるのは、美しい女性のボディ形状にフィットする美しいカスタムレザーウェアなのです。言い換えると、究極の美しいボディシルエットに映える、究極の美しいカスタムレザーウェア…。それが、いままでは、クールガールだけだったのですが、今、ここに、TBLeagueの新しいボディが出現しました。クールガールの唯一の弱点だった、関節パーツが露出していることを、完全に克服したボディ。もちろん、今のTBLeagueは、次に述べるように多くの問題点があります。しかし、これらを改良すれば、TBLeagueの持つ可能性は飛躍的に向上すると思います。ですから、ぜひ、なんとかして欲しいと思います。

     さて、以上の良い点を理解した上で、現在のモデルバージョンが持つ問題点を指摘します。箱から取り出して、まず日本人なら誰もが気づく点として、ご覧のようなバリの切除跡のキズでしょう。全身の側面に片側それぞれに6箇所ほどあります。これは、現在販売しているショップもオークション出品者もいっさい触れていないのがほとんどです。おそらく、服を着せて隠れるのだからいいじゃないか、というのでしょうか?ひどい話ではないでしょうか?このTBLeagueのボディでは、無関節の美しいボディをできるだけ露出したいと思うのが人情でしょう。だから、おそらく、露出度の高いウェアが人気になるはずです。そうすると、どうしてもこのキズは無視できません。それだけに、なんとかしてほしいものです。これは、たぶん、ラバーを注入する金型のゲート(プラモデルで言うと、ランナーに当たる)を切り取った跡だと思います。現地作業者は、我々のような意識はありませんから、ただ切ればよいという認識で作業しているのだと思います。しかし、写真のように、ここまで深く食い込んだ傷は、もはや修正することができません。樹脂なら、適当な素材を盛り付けて整形できますが、特殊ラバーでは、どうしようもありません。とにかく、きれいな切除跡にするには、単純にランナーを切りっぱなしのままにするのではなく、ペーパーなどでやすりがけする必要があると思うので、当然、コストも関係するはずです。それだけに、あえてこのまま、出荷しているのだと思いますが、日本市場ではとても受け入れられるとは思えません。残念なことです。

     次に、気づくのは足首のジョイントパーツの問題点です。これは、まあ、正々堂々とMade in ChinaとTBLeagueの刻印が左右それぞれのパーツにバーンッ!と刻印されています。いまさら、Made in Chinaは要らんヤロと、思わずツッコミたくなるのですが、これでは、とても生足でハイヒールのサンダルやミュールをはかせられませんよ。それと、ボディの色は良いのに、足首パーツの色は、とても濃い色でご覧のように極端に色違いになってます。おまけに、何故かツヤあり!思わず、絶句します。ですから、6インチハイヒール足パーツを組むと足首のパーツの色が邪魔をするので、ボディの色とつながらないためチンドン屋になります、、、、、あれだけボディ本体に細心の注意を払っているのに、こんなところで初歩的なミスをするとは、なんか、よくわからないですね

     外見上で、とりあえず気になる問題点は以上です。それでは、いよいよ着つけはどうでしょう?まず、ボディの各関節の動きですが、確かに、初め慣れるまでは、どの程度の力で曲げられるのかわからないので慎重さが必要です。かなり、固いです。まだ、ラバーを剥がして、実際の関節をむき出しでテストしていないので、実際の関節のジョイント形状がわからないのですが、場所によってはバキッといきそうなくらい固いです。腕、腹部、腰、膝関節は普通ですが、股関節は特別固いので、ちょっと怖いです。でも、慣れてくると、結構イージーにポーズづけすることができるようになります。ですから、これは、問題点とは思いません。どちらかといえば、まあユーザーの正しい扱いが重要です。ただ、私も、写真撮影中に、手首のパーツを交換するときに、ついうっかり、クールガールと同じつもりで、横へねじったら関節が折れました、、、、。正しくは、まっすぐ、抜かないとダメなんですね。説明書をよく読めばよかった。仕方ないので、後半の写真では、左の手首を隠して撮影しました。わかります?^0^

     いざ、着せ付けようと思うと苦労するのが、滑りの悪さです。これは、HOTTOYSのニュージェネやブラックウィドウでも経験済みですが、素材がラバーである以上仕方の無いことです。とにかく、薄地のSheerナイロンストッキングは、破れそうなので断念。たぶん、網タイツならいけると思いますが、今回はとにかく、ボディ素材をそのまま表現するほうが良いとも思ったので、そのままナマ足で撮影することにしました。これは、TBLeagueのボディだけでなく、HOTTOYSなどの今流行のラバー素材のボディでは共通の問題です。ナイロン、コットン、人工レザー、リアルレザーなど、どんな素材であろうが、滑りの悪さは回避できません。

     次に、問題が汚れが付着しやすいことです。服を着せ替えようと脱がすと、まあ、脱がしたあとのボディには、縫製の糸くずや、ニットの毛玉、レザーの毛羽など、掃除機の如くたくさん吸い付けてくれます!何せ、消しゴムと一緒ですよ。素材がラバーなので。これまた滑りの悪さ同様、どうしようも回避できない問題点です。まあ、ラバー素材の弱点とでもいいますか、、、

     実際に、現物を検証テストした結果は、以上の通り。①バリの傷跡②足首パーツの色ツヤと刻印③滑りの悪さ④汚れの付着といったところが気になる点でしょうか。

TBLeagueの可能性を秘めた美しさ。問題点が改善されれば、究極のボディとなるかも!TBLeagueの可能性を秘めた美しさ。問題点が改善されれば、究極のボディとなるかも!TBLeagueとクールガールの背面の形状比較。TBLeagueの関節の無いボディは表現力が飛躍的に向上しますTBLeagueの関節の無いボディは表現力が飛躍的に向上します。


TBLeagueの致命的な問題点①注入口のバリ処理の傷跡。TBLeagueの美しいヒップライン!TBLeagueの美しいヒップライン!もう関節隠しのアンダータイツは必要ないですね。TBLeagueの致命的な問題点②足首ジョイントの刻印。TBLeagueの関節の無いヒップがこれほど美しいとは!TBLeagueの関節の無いヒップがこれほど美しいとは!


TBLeagueの致命的な問題点③滑りの悪さと汚れが付着しやすいこと。TBLeagueのボディに本格的にビザールクイーンを着せてみた図!TBLeagueのボディに本格的にビザールクイーンを着せてみた図!TBLeagueの致命的な問題点③滑りの悪さと汚れが付着しやすいこと。股関節の制限で苦労したクールガールも、TBLeagueではレザーカスタムウェアを作りやすくなりますね。股関節の制限で苦労したクールガールも、TBLeagueではレザーカスタムウェアを作りやすくなりますね。


TBLeagueの致命的な問題点③滑りの悪さと汚れが付着しやすいこと。TBLeagueのボディでフルセットアップしたショット。バリの傷跡さえなければもはや、1/6とは思えない!TBLeagueのボディでフルセットアップしたショット。バリの傷跡さえなければもはや、1/6とは思えない!


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クールガールとボークス

TBLeagueのビザールクイーンバージョンを実現化へ!

     タイガーブラザー社のTBLeagueは、たしかに、前項でいろいろ述べたように問題点も多いですがそれ以上に、私が皆さんに強調したいのは、このTBLeagueの持つ美しいボディ形状の素晴らしさです。また、今までのクールガールの周辺パーツの財産を無駄にしないで、流用し活用できるという、ユーザーフレンドリーな設計方針です。HOTTOYSのように、特定のキャラで究極の完成美のモデルもそれなりに、素晴らしいですが、残念ながら、パーツの互換性がありません。しかし、TBLeagueのボディには超リアルなヘッドも、何も付属しませんが、閉鎖的な展開ではなく、オープン思想に基づく設計は、1/6世界の愉しみ方を広げてくれます。それだけに、何とか、前項の問題点は改善して欲しいところです。

     実は、すでに、ここで述べたような問題点については、上海で彼らに指摘して改良するように要求してあります。実際のところ、彼らには、ここで述べたような問題点の指摘やフィードバックがほとんど無く、いわば現状で消費者は満足していると誤解していたようです。おそらく、現在販売している人たちは、売りっぱなしであり、本当の1/6愛好者ではありませんからノークレームノーリターンの姿勢でより良い製品にしようという意欲は無いのでしょう。ですから、ある意味、初めて自分たちの製品の問題点に気づいたのかもしれません。もし、誠実に彼らがこれらの問題点を改善してくれれば、日本のユーザーの要求レベルに合わせた、ビザールクイーンのカスタムモデルバージョンのTBLeagueを、私どもが責任をもってサポートして皆さんにご提供できるかなと思います。ただ、以前述べたような、破損した場合の有償交換サービスが無くなったは実に残念です。ですから、我々にできることは、もう少しわかりやすく関節操作実戦マニュアルを作成して皆さんに配布するしかないかなあ、と考えています。いずれにせよ、このTBLeagueのボディの美しさはご覧のように、素晴らしいと思いますし、ゲートの傷跡などが改善されれば関節モデルはクールガール、シームレスボディはTBLeagueと皆さんの選択肢が増えて、より1/6世界を愉しむことができるようになるでしょう。

     ここでは、できるだけ素のTBLeagueのボディ形状の美しさを見ていただけるように、シンプルなブラ、Tバック、ビキニだけのショットと、ビザールクイーンのカスタムレザーウェアをシームレスボディに着せたときのよりリアルさが増した美しいショットをご覧ください。このようなショットと同じフィギュアを皆さんに一日も早く、それが実現できるように、TigerBrother社と交渉していきたいと思います。

※2010年12月~2011年5月のnews記事を編集したものです。